温泉成分の吸収は
温泉の成分はどこからどう取り込まれるのか?
温泉には、いろいろな化学物質・成分が含まれていますが、どういう風に体に取り込まれるのでしょうか?
温泉の化学成分は、主に皮膚を通して体内に吸収されます。
成分は、そのままの形で人体に作用する場合もあれば、
体内で有効成分が合成される場合もあります。
皮膚や肺から吸収されやすい成分としては、
・二酸化炭素
・温泉のにおいのもとである硫化水素
・放射性物質であるラドン、トロンなど脂に溶けやすい気体
があげられます。
無機成分としては、
・脂に溶けやすい鉄やヨウ素
が体表面の皮脂腺から滲入します。
また、
・ナトリウム、カルシウム、塩素、炭酸水素、硫酸イオン
などもわずかながら吸収されるといいます。
温泉の温度が高いほど、入浴時間が長いほど、温泉成分が濃いほど、
皮膚からの吸収は促進されます。
温泉からあがった後でも、真水で成分を洗い流していなければ、皮膚に付着した成分は少しずつ取り込まれていきます。
これらの成分は、皮膚のすぐ下にある結合組織に入り込み、その細胞を活性化させます。
結合組織は、全身に繋がっているいる唯一の組織であり、血管から滲みだした栄養分を細胞に届けています。
身体に浸み込んだ温泉成分は、この結合組織を刺激して血管造成作用を発揮したり免疫機能を高めるのです。
ですから、温泉には高血圧や心疾患などがない限り、全身浴がおすすめとなります。