温泉分析書の読み方
温泉分析書・温泉分析書別表の読み方
温泉法によれば、「温泉分析書は入浴客が見えるところに必ず掲示しなければならない」とあります。
また、温泉分析書別表というものもあり、その中には禁忌症(温泉療養をしてはいけない特定の疾患)を必ず記載しなければなりません。
(ところが適応症の記載義務はないんです・・・?)
下に、冬にスキーでいつもお世話になっている
蔵王温泉ろばた(いい湯いい宿です。おすすめ!)さんの温泉分析書・温泉分析書別表がありますので、これを見て説明いたします。
温泉分析書記載の数値の見方・読み方
温泉分析書にはたくさんの数値が書かれていますが、押さえておくべき数値は限られています。
この数値を押さえれば、また温泉に入る楽しみも増えることでしょう。
①2.湧出地における調査及び試験成績の(1)泉温を見ましょう
沸かしている(加温している)お湯かどうかがわかります。
ここの湯は46.8℃あるので加温していませんね。
(源泉が遠いところにある場合は加温している場合もあります)
②4.試料の1㎏中の成分、分量及び組成 の一番下の段にある
溶存成分(ガス性のものを除く)の数値を見ましょう。
ここの湯は3,047mg/kgあるので、十分に濃い温泉であることがわかります。
(1,000mg/kg以上で温泉)
③2.湧出地における調査及び試験成績の(4)pH値を見ましょう
酸性か中性かアルカリ性かを判断します。
7.5を超えるアルカリ性ならヌルヌル、ツルツルした感覚が味わえます。
ここの湯は2.0なので、強酸性肌にピリピリとくるお湯だとわかります。
④余裕があれば 4.試料の1㎏中の成分、分量及び組成の成分値をみて、
5.泉質 と照らし合わせればどんな特徴のある温泉なのかわかります。
温泉分析書別表の禁忌症とは
浴用の禁忌症は、通常5つほどあります。
①急性疾患(特に熱のある場合)
②活動性の結核、悪性腫瘍
③重い心臓病、呼吸不全、腎不全
④出血性の疾患、高度の貧血
⑤その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)
蔵王温泉では、このほかに泉質が酸性硫黄泉なので、
・皮膚・粘膜の過敏な人、特に光線過敏症のひと
・高齢者の皮膚乾燥症
も禁忌症となっています。
温泉療法では、入浴による温熱刺激、含有成分による効果、その土地の気候による刺激が体に加わり、それに自律神経系、免疫・ホルモン系などが反応して、生体に本来備わっている自然治癒力が働いて体の機能が正常化されるのです。
したがって、これらの刺激に反応できないくらいの状態の時には、効果がないばかりか、かえって害になることもあるのです。
たった一度の温泉入浴で病気が悪化するというわけではないと思いますが、その日の体調、病気の程度をよく考えて入浴することは必要ですし、高温浴や刺激の強い酸性泉などは禁忌症の方はなるべく避けた方がよいと思います。