温泉の総合的生体調整作用
温泉が持っている総合的生体調整作用
日本は自然環境に恵まれた国です。
その中でも温泉地は、
奥深い山々に囲まれた地にあったり、
森林浴のできる環境にあったり、
川のせせらぎが聞こえる岸辺にあったり、
はるか水平線を望む地にあったり、
荒々しい岩礁がせまるところにあったり、
と心安らぐ処にあります。
精神的ストレスや時間に追われる生活、
家事の切り盛りから解放されて、
温泉にのんびりと浸かり、
野や山や川岸を散策したり、海風に吹かれたり。
ゆったりと時間は流れ、心はリフレッシュし、
身体そのものが持っている自然のリズムが回復していきます。
特に近年になって、温泉の成分(泉質)にこだわるよりも、
この様な温泉の総合的生体調整作用を見つめなおすべき!という
考え方が高まっているのです。
実際、総合的生体調整作用を重視した保養医学の立場から、
心身症やうつ、神経症などの心の病の治療をめざした長期滞在型の
温泉療法を行っているところもあります。
仙台ストレス病研究所長、鈴木心療内科の鈴木先生によれば、
「心身症の患者さんは、自律神経系とホルモン系の働きが乱れている。
だが、温泉の総合的生体調整作用は、これを調節し正常化する。
泉質にはあまり関係なく、1週間から10日で効果がでる。
この期間が、温泉毎に伝承的に伝えられている『ひと廻り』だ。」
とのこと。