温泉でいぼ痔治療
温泉でいぼ痔治療
日本では鹿、猿、狼、白鷺、鶴・・・など動物や鳥が傷を癒したというところから発見された、という温泉は意外に多いです。
鹿部温泉(北海道)、鹿教湯温泉(長野)、鶯宿温泉(岩手)など温泉の名になっているところもあります。
戦国時代には、「信玄公の隠し湯」などと呼ばれる負傷兵の治療に用いられた温泉もありました。
増冨温泉、下部温泉(武田家)、猿ヶ京温泉(上杉家)、別所温泉(真田家)などです。
しかし、温泉の泉質で見てみると、全国に存在する「傷の湯」の泉質は、食塩泉、単純温泉、重層泉、硫黄泉、硫酸塩泉など多種多様にわたります。
まあ、微量成分が有効なのだという説もありますが、
傷口縫合の技術や抗生物質のなかったこの時代には、
◎清潔な湯で患部を洗い流し、感染症を防ぐ
◎温まることで血流量を増やし早く治す
といった温泉の効果を利用していたのではないでしょうか。
話を「痔」に戻しますと、
薬や外科手術が発達した現代では、痔は治る病気になったので、温泉も補助療法として用いられることが多くなりました。
下呂温泉院長の話によれば、日本の温泉は欧州の温泉に比べ成分が薄いので患部への刺激が非常に少なく、外科系疾患の補助療法に適する温泉が多いそうです。
痔の中で肛門部がうっ血して良性の腫瘤(こぶ)をつくるのが痔核(いぼ痔)です。
裂肛(切れ痔)、痔ろうを含めた「痔の三大疾患」の中では最も多いのがこのいぼ痔。
温泉入浴は体を温め、患部の血の流れを増やすため、うっ血が改善し痛みが緩和されます。
日本の温泉の中にはとってもユニークな、痔や腰痛に効くと言われている温泉があります。
瀬見温泉(山形県)、酸ヶ湯温泉(青森県)にある「ふかし湯」です。
床下の湯つぼからの湯気(蒸気)が小さな穴から噴き出る仕組みになっており、この蒸気に患部を当てて温めます。
また、尻焼温泉(群馬県)は、河原に掘った穴の中の湯に患部を浸したことから名付けられたと言われています。