文豪と温泉 島崎藤村
2023.06.04
カテゴリ：温泉豆知識
文豪と温泉 島崎藤村
「…山国らしい温泉の感じは、反って不便な田沢、霊泉寺などに多く味わわれる。
（中略）
升屋（ますや）というは眺望のよい温泉宿だ。・・・」
『老嬢』
長野県小県郡青木村にある田沢温泉は、石畳の道や、その両側に並ぶ木造建築の旅館など、湯治が全盛であった頃を思い出させるぬくもりのある雰囲気の温泉地です。
入母屋造り、勾配のかかった国の有形文化財でもある三階建ての高楼が三棟も連なる老舗「ますや旅館」。
明治元年開業のこの老舗旅館には、明治の中頃島崎藤村が逗留し、名作「千曲川のスケッチ」の構想を練った客室『藤村野間』があり、藤村が使用した文机や茶ダンスなどが当時のまま残っています。
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