文豪と温泉 志賀直哉
2023.06.03
カテゴリ：温泉豆知識
文豪と温泉 志賀直哉
「自分の部屋は二階で、隣のない、わりに静かな座敷だった。
脇が玄関の屋根で、それが家へ接続するところが羽目になっている。
その羽目のなかに蜂の巣があるらしい。
虎斑の大きな蜂が天気さえよければ、朝から暮近くまで、毎日忙しそうに働いていた。 …」
『城の崎にて』
兵庫・但馬の名湯を舞台とした『城の崎にて』(1917)は、志賀直哉が親友の里見弴と散歩中、誤って山手線の電車にはねられて重傷を負い、退院後、養生のため訪れた「城崎温泉」での出来事をつづった心境小説の傑作です。
実際に志賀直哉が逗留した創業300年、国登録有形文化財の宿「三木屋」は、江戸時代中期創業の日本旅館。
よほど気にいったのか、その後この宿を１３回も訪れている。
2013年には館内を大規模リニューアルし、古き良きものとモダンな居心地の良さが溶け合った空間に生まれ変わっています。
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