文豪と温泉 徳富蘆花
2023.06.04
カテゴリ:温泉豆知識
文豪と温泉 徳富蘆花
「上州伊香保千明(ちぎら)の三階の障子開きて、夕景をながむる婦人。 年は十八九。品よき丸髷に結いて、草色の紐つけし小紋縮緬の被布を着たり・・・」
『不如帰』
明治31年、徳富蘆花は新婚5年を記念し、愛子夫人と新緑の伊香保温泉を訪れました。
その間、榛名湖などにも足を延ばし、伊香保温泉をことのほか気にいったようでした。
その後すぐ、蘆花は「国民新聞」紙上に、伊香保温泉を舞台にした『不如帰』(ほととぎす・ふじょき)の連載を始めます。
日清戦争の時代、愛し合いながらも家族制度のしがらみに引き裂かれてゆく浪子と武男の物語は空前の反響を呼び、文豪・徳富蘆花の出世作となりました。
伊香保を愛した徳富蘆花は、小説にも出てくる老舗旅館「千明仁泉亭」の離れで最後を迎えています。
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