鹿が見つけた温泉 その1
鹿が見つけた温泉 その1
日本の温泉には動物や鳥などが傷をいやすのを見て発見された温泉がたくさんあります。
今回は「鹿」編その1です。
鹿部温泉(しかべおんせん)
北海道鹿部町
寛文6年(1666)、津軽から訪れた伊藤源五郎は、温泉で傷をいやす一頭の鹿に遭遇します。
そこで鹿島明神信仰者である源五郎はここに温泉を設置し、やがて鹿部の湯は多くの人に知られるようになりました。
浅虫温泉(あさむしおんせん)
青森県青森市
平安時代に慈覚大師(円仁)によって発見された温泉は、初めは布を織る麻を蒸すためだけに使われていました。
しかし、1190年にこの地を訪れた円光大師(法然)が、傷ついた鹿が湯あみしているのを見て村人に入浴を勧め、それ以来人々に利用されるようになりました。
酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)
青森県青森市
貞享元年(1684)、横内(現青森市)に住む狩人「長内左ヱ門四郎」が鹿を仕留めそこない、その手負いの鹿を追って山へ入った。
それから3日後にその鹿を見つけたが、傷を負っていたはずの鹿があっという間に岩山を駆けあがり逃げ去ってしまった。
不思議に思って、付近を探索すると温泉が湧いているのを見つけた。
その後、その温泉に薬効があることを知り、「鹿の湯」と名付けて利用した。
鹿の湯
栃木県那須町湯本
7世紀前半、舒明天皇の御世に開湯されたと伝えられています。
狩野三郎行広というものが山狩りの際に、射損じて逃げる鹿を追って山に入ると、鹿は傷ついた体を温泉で癒していました。
そこで、その温泉を鹿によって発見されたので「鹿の湯」と名付けたと伝えられています。